デンマーク国家自転車政策の現状と過去の自転車基金
デンマークの自転車交通量は2014年以降減少傾向にあり、特に地方部や10~17歳の子ども・若者の利用が32%減少している。一方で電動自転車の販売は急増し、2020年には7万台が売れ、国民の約10%が所有するまでに至った。過去の国家自転車基金による35億クローネの投資は局所的に交通量を20%以上増加させたが、全国的な減少トレンドを逆転できていない。
背景
デンマーク道路局(Vejdirektoratet)のマリアンヌ・フォルドベルグ・ステフンセン氏による2022年3月の自転車セミナー資料によると、過去10~15年の自転車利用は全体的に減少。最大都市部では停滞または微増だが、人口密度の低い地域で顕著だ。健康効果の観点では、自転車1kmあたり社会が約10クローネを節約(電動自転車は6.5クローネ)、心臓病・糖尿病・がん予防効果が大きい。2018年の産業連盟調査では、利用10%増で年間26.7万日の欠勤が減少し、11億クローネの経済効果が見込まれる。
2009年以降の国家自転車基金は総額35億クローネ(国22億、自治体13億)を投じ、支援を受けた自治体の3分の2が自転車投資を増加。プロジェクト区間で交通量が平均20%以上向上した。しかし人口増加と都市化にもかかわらず総走行距離は減少し、自動車所有増加や安全意識、交通文化の変化が要因だ。
今後の展望
道路局は「自転車の年」に合わせ、今月中に国家自転車推進知識センターを立ち上げ、既存知識の共有と新研究を推進。2035年インフラ計画で2022年に400万クローネを割り当て、基金のテーマ選定(通勤・スーパーサイクリングルート、子ども・若者利用、レクリエーション、国家サイクルルート、複合移動)を支援する。2021年に設置された自転車協議会がステークホルダーを巻き込み、補助率40~50%(知識プロジェクト100%)を維持しつつ、最大都市偏重の地理的不均衡に注意を促す。